今回は、3Dプリンターで作成した造形物を超簡単に剥がすことができる「Anycubic Ultrabase」というガラステーブルについてレビューします。
ヒートベッドの温度が高いときはしっかり張り付き、温度が下がってくると剥がしやすくなる優れもの。
室温程度まで冷ますと勝手に剥がれるというレベルで楽に剥がすことができ、「ヘアスプレー」や「スティックのり」も不要になるのでチェックしてみてください。
はじめに
今回レビューする「Anycubic Ultrabase」がこちら!
3Dプリンターで使う「ガラステーブル」ですね。
表面は「特許」を取得している特殊加工が施されており、画像の通り透明なガラス製になっています。
私が購入したのは「Creality3D CR-10 / 10S用」の「310x310mm」サイズでしたが、そのほかに「220x220mm」や「円形」のモデルも用意されているので、ヒートベッドのサイズに合わせて選んでみてください。
こちらのガラステーブルのすごいところは、何と言っても造形物の剥がしやすさ
マスキングテープやスティックのりを使ってガラステーブルに造形すると、接着が強すぎて剥がしにくかったり、造形物にマスキングテープが残っちゃったりしますよね。
そういった時にオススメなのがAnycubicのUltrabaseです。
ヒートベッドの温度を常温まで下げるだけで勝手に剥がれるので、早速チェックしていきましょう。
追記後述:張り付きが甘くなってきました。
配送状態
Anycubic Ultrabaseの配送状態はこんな感じ。
Anycubicの箱に入って配送されてきました。
梱包は、緩衝材に挟まれるような感じ。
ガラス製なので、ちゃんと梱包されて配送されてくるのはありがたいですね。
3Dプリンターのヒートベッドに設置するときは、以下のようなクリップを用意しておくのがオススメです。
表面は特殊加工
Anycubic Ultrabaseは特別な技術で作られているため、ガラス表面は「ザラザラ」した手触りになっています。
表と裏があるので注意。
ヒートベッドの高さは、普通のガラスプレートと同じように調整すればOKです。
造形物の底面には「Anycubic Ultrabaseの表面」と同じ感じの跡がつきました。
くっつきやすく剥がしやすい
Anycubic Ultrabaseは「造形物がくっつきやすいのに剥がしやすい」というちょっと不思議なガラスプレートなんです。
というのも、ヒートベッドの温度が高いときは「スクレイパー」を使っても剥がれにくいくらいしっかり定着し、ヒートベッドが常温まで下がったら道具不要で剥がせるという加工が施されているらしいです。
ちなみにこれがスクレイパー。
こちらは実際に造形した物なのですが、ヒートベッドの温度を常温まで下げると「押しただけで動く」レベルで簡単に剥がすことができました。
びっくりするくらい簡単に剥がせるので超便利です。
たまに残る
これについては、まだ原因がわかっていないのですが、何回も造形しているうちに「たまにくっつきすぎる」ことがありました。
ヒートベッドを常温まで下げても剥がれなかったため「スクレイバー」を使って剥がしたところ、造形物の跡が残ってしまいました。
感覚としては、0.06くらいの細かい造形の時や、ノズルとガラステーブルの距離が近すぎる時に発生しているような気がしています。
ちなみに、このような跡は「アルコール」でふき取ったり、目の細かいヤスリを使ってメンテナンスすることで綺麗にできるようです。
追記
3ヶ月ほど使ってみたところ、だんだん張り付きが甘くなってきたような気がします。
特に、ネジなどの「細かいパーツ」や「サポート」の1層目がうまく定着しないことが増えてきました。
アルコールで拭き取ってみたのですが、そこまで変化はなし。
オートレベリングを実装しているため、ベッドの水平が取れていないという可能性はないと思います。
スティックのりやプラットフォームシートは不要とはいえ、永久的に使えるわけではないみたいなので注意してください。
ヒートベッドの温度
Anycubic Ultrabaseを3Dプリンターに設置し、早速サンプルモデルを造形しようとしたところ、1層目が全く定着しませんでした。
以下の画像はCreality3D CR-10Sに入っていたサンプルの「まねき猫」
原因は「ヒートベッドの温度」
Anycubic Ultrabaseを使うときは、ヒートベッドの温度を高めに調整しなければならないようです。
私はABSフィラメントを使い、ヒートベッドの温度を「100度」まで上げて使っているのですが、3Dプリンターのによってはヒートベッドの最大温度が変わってくるので注意してください。
ちなみに、私が使っている「Creality3D CR-10S」の最大温度は110度。
また、使用するフィラメント(素材)の種類によって適切なヒートベッドの温度が変わってくるっぽいです。
取扱説明書に載っていた目安としてはこんな感じ。
- PLA/TPU/PETG: 50-70℃
- ABS/Nylon/PC/PP: 90-120℃
繰り返し使える
先ほども紹介した通り、Anycubic Ultrabaseに直接造形するので「マスキングテープ」や「プラットフォームシート」のようなアイテムは不要。
Anycubic Ultrabaseに直接造形するのでマスキングテープのようにゴミは出ませんし、プラットフォームシートのように破れないよう注意する必要もありません。
ガラスプレートにしては高価ですが、プラットフォームシートとは違い「繰り返し使える」ということを考えると、コスパは高いと感じました。
まとめ
今回レビューした「Anycubic Ultrabase」は、3Dプリンターを使って造形したアイテムを剥がすのに便利なガラステーブルでした。
ヒートベッドを室温まで下げれば、びっくりするくらい超簡単に剥がせるのでぜひ試してみてください。
ではまた。